URF店長:太田です。
昨晩、当店にある1本の“営業電話”が入りました。
それは、どこから嗅ぎ付けたのか、「今リニューアルされてる御社のHPを拝見して…」
とのことでした。
声の感じから20代後半から30代前半と思える、電話の向こう側にいる担当氏の
いかにも「営業トーク」から始まった話は、
「SEO対策はご存知ですか?」
「よろしければ、2~3分お時間を頂けますでしょうか??」
と畳み掛けてきました。
「チッ、またこの手の営業電話かよ」
心の中でそう思いながら、ちょうど『グーグル・マイビジネス』ページを
更新していた手を止め、しばらく話に付き合っていると
同じように店のHPを開いていた、電話の向こうの担当氏が突然切り出しました。
「店長さま、トップページの画像はSRですか?
実は私もSRが好きで、過去に4台も乗り継いだんですよ」
担当氏は、いかにも自分が食い付きそうな個人的な話題を持ち出しました。
「今はSRもバイクも乗ってないんですけど、SRはまた乗りたいですね。
店長さまは、今もSRに乗ってるんですか?」
「乗ってるよ。自分も18の頃から乗り始めて、28まで10年間同じSRに
乗ってたけど、結婚したり独立したりで途中20年間SRから離れていたけど、
ちょっとした切っ掛けで、7年前からまた乗り始めてね。
最初は車検が切れるまでの1年間だけのつもりだったけど、結局その後
3回も車検を取ってね。
HPのトップ画に使ってるのは、今自分が乗ってるSRだよ」
自分でも個人的な話をしてるなぁ。と思いつつ、(嫌いではないので)
つい、SR話を始めてしまいました。
「イイですね~、それじゃ店長さまの店に来るお客さんもSRに乗ってる方が
多いんでしょうね」
「まぁ、確かに。でもSRよりCB(400スーパーフォア)に乗ってる
お客さんの方が多いかな。乗りやすいバイクだから、自分もお勧めしてるし」
「そうなんですか。SRにお詳しいなら、HPでもそれを前に出して、
SRをいじりたい人や修理で困ってる人にHPでアピールしてみては?」
「それが出来れば楽だけど、SRだけに特化したら食っていけないよ。
実際、君も名前は聞いたことがあるかもしれないけど、昔からやっていた
東京の某有名なSR専門店さんだって去年潰れたんだから」
「えぇ~っ、そうだったんですか??知らなかったですよ」
「それだけ厳しいっていうこと。SRは個人的に大好きなバイクだけど、
それを大きく前面に出したら、他のバイクに乗るお客さんが寄り付かなくなるよ」
「なるほどですね~。でも、もったいないなぁ…」
「まぁ、SR好きでまたSRに乗る機会があったら、店に遊びにおいで。
その時は、営業の話じゃなく、同じSR好きとして話をしようよ」
「これ以上広告宣伝費を掛けられない」と釘を刺しつつ、
体よく営業電話を切り上げて、再び今リニューアルしているHPのトップ画に
目をやりました。
「そうだな、もし自分がSRというバイクに出会ってなかったら、きっと
バイク屋をやることもなかっただろうな。
でも、SRというバイクがメカや整備の基本や走ることの楽しさを
教えてくれたんだから、感謝しないとな」
そんな事を思い出しながら、改めて自分が将来バイク屋になろうという気持ちと、
切っ掛けを作ってくれたSRについて、何回かに分けて綴ってみたいと思います。
(続く)
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